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漢方基礎講座漢方の診断法

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病期による分類(六経分類)

病期による分類(六経分類)

漢方医学では、病期による分類も行われ、病期は「陽」から「陰」の症状へ進み、悪化し、死に至るとされています。陽の症状と陰の症状は、それぞれ更に細かく、3つの陽期と3つの陰期に分けられ、合せて6つの段階に分類できます。これを六経分類といいます。大ざっぱにいえば病気は徐々に陽証から陰証へ、表証から裏証へ、熱証から寒証へ、実証から虚証へ進むとされています(無論、この限りではありません。)。
漢方医学では、病期の移動により「証」の変更が起こったとし、使用する方剤も変更されます。

病期による分類(六経分類)[1]太陽部位と太陽病

1) 太陽部位と太陽病

太陽部位とは、「上」と「表」、具体的には、頭頂より背中、脊柱、腰、踵に至るまでを指します。
つまり、病邪がからだの表在組織や身体上部に停滞するものをいいます。
病状としては、浮脈、頭痛、悪寒、発熱、項背部痛などがみられます。

病期による分類(六経分類)[2]少陽部位と少陽病

2) 少陽部位と少陽病

少陽部位とは、「半表半裏」、具体的には、両耳の前後より、脇下、季肋、脇腹、足部に至るまでを指します。つまり、病邪が太陽の表部を過ぎてやや内方に侵入した状態で、未だ裏位には達していない状態を言います。
病状としては、往来寒熱、胸脇苦満(肋骨弓下の張った痛み)、口苦、口乾、はき気、食欲不振などがあらわれます。

病期による分類(六経分類)[3]陽明部位と陽明病

3) 陽明部位と陽明病

陽明部位とは、「下」と「裏」、具体的には、眼から下唇、心、胸、腹、髄、股、膝、脛、跗、指頭に至るまでを指します。つまり、熱が裏位と下部(陽明部位)にある状態で、主要病状は胃、腸の部位に顕著にあらわれ、腹満、便秘、口渇、身体深部の熱感などがみられます。

病期による分類(六経分類)[4]太陰病

4) 太陰病

太陽病期、少陽病期、陽明病期で治癒に至らず、生体に疲弊が生じて太陰病期へ移行すると考えます。
気虚や血虚を基盤とし、腹痛、下痢、腹の冷え、食欲不振などがみられます。

病期による分類(六経分類)[5]少陰病

5) 少陰病

少陰病とは、気虚、血虚の状態がさらに進行し、臓腑の機能も衰えた状態で、全体倦怠感や四肢の冷え、下痢、脈の微弱などがあらわれます。

病期による分類(六経分類)[6]厥陰病(けついんびょう)

6) 厥陰病(けついんびょう)

厥陰病は、臓腑機能がさらに衰え、重篤な病状に陥った状態で、意識レベルの低下や、体温調節障害などが現れます。

六経分類と八綱分類の関係

同じ病期にあるものでも熱寒実虚を区別しなければ治療に直結せず、六経分類と八綱分類は常に組合わせて考えられます。