千葉大学 環境健康フィールド科学センター 准教授 喜多 敏明
目 的: |
漢方製剤において、分2製剤(KB:1日2回服用)と分3製剤(EK:1日3回服用)を処方した場合の服薬コンプライアンスの比較 |
対 象: |
慢性疾患・症状に対し、漢方製剤を1ヵ月以上服用し病状が安定している外来患者109例 |
方 法: |
同一の漢方製剤の分2と分3を各1週間交互に(A群:分3→分2、B群:分2→分3)処方し、服薬状況、患者満足度について質問紙による調査を行った。 |







■ 飲み忘れはA群、B群ともに分2製剤で少なく(図1、2)、頻度も低かった(図3)。 |
■ 分3製剤の飲み忘れは、昼が多かった(図4)。 |
■ 1回服用量の増減よりも、1日服用回数の増減のほうが、患者満足度に大きな影響を与えた(図5)。 |
■ ライフスタイルにあう漢方製剤として、分2製剤のほうがより支持された(図6)。 |
今回の研究では、飲み忘れが臨床効果に影響を及ぼすことはなかった(data not shown)。その理由として、病状が安定していたこと、また調査期間が各1週間と短かったことが考えられる。従って、病状がまだ安定していない場合や、服用が長期間継続する場合には、飲み忘れが臨床効果に影響する可能性は否定できない。
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