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抑肝散加陳皮半夏
抑肝散加陳皮半夏

基礎報告

■ご所属は論文発表当時のものです。

抑肝散加陳皮半夏はマウスにおける社会的隔離誘発睡眠障害とアロプレグナノロン減少を改善する
Yokukansankachimpihange Improves the Social Isolation-Induced Sleep Disruption and Allopregnanolone Reduction in Mice
Frontiers in Nutrition, 7:8,2020
doi: 10.3389/fnut.2020.00008
村田 健太*、李 峰*、新口 加奈子*、緒方 美咲*、藤田 日奈*、高橋 隆二*
*クラシエ製薬株式会社

〔概 要〕

9つの生薬で構成される漢方薬の抑肝散加陳皮半夏(YKSCH)は、神経症、不眠症、小児の夜泣きの改善のために創薬されている。YKSCHは、アルツハイマー病患者の日概リズムの改善や、健常者の総睡眠時間の延長が報告されている。しかし、YKSCHが睡眠障害をどのように緩和するかについてはほとんど知られていない。本稿では、YKSCHの群飼いおよび社会的に隔離されたマウスにおける睡眠潜時および睡眠時間に対する影響とその機序について検討した。雄性ddyマウスにYKSCH [1,500mg/kg、経口投与]を群居飼育または隔離飼育下で3~4週間投与した。最終日の投与後、ペントバルビタール(60mg/kg)を腹腔内(i.p.)投与し、睡眠潜時と持続時間を評価した。その結果、YKSCH投与は群居飼育マウスの睡眠潜時あるいは持続時間に影響を示さなかった。一方、YKSCH投与は隔離飼育マウスの睡眠時間の減少を有意に改善した。YKSCHによるこの作用は、GABAA受容体拮抗薬であるビククリン(3mg/kg、腹腔内投与)の投与により阻害された。さらに、YKSCHは嗅球におけるアロプレグナノロン含量とその合成酵素の発現レベルの減少を改善した。これらの結果より、YKSCHはGABA作動性神経系を介して隔離ストレス誘発性不眠を改善し、その作用機序の一部はアロプレグナノロン発現レベルの改善によることが示唆された。

外部サイト https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2020.00008/full

抑肝散加陳皮半夏の攻撃行動に対する基礎的検討
Phil漢方73:24-25,2018
瀬島 健裕*、藤田 日奈*、韓 立坤*
*クラシエ製薬株式会社

〔概 要〕

本研究では、個別飼育により作製した抑うつモデルマウスの攻撃行動に対する抑肝散加陳皮半夏の効果を検討した。攻撃行動の検討には、雄性マウス同士の攻撃行動を観察する居住者侵入者テストまたはソーシャルインタラクションテストが一般的に用いられるが、本検討ではマウス用攻撃行動計測システム(ARM)を用いた。ARMは、マウスの対物攻撃行動を測定するシステムであり、性ホルモンの影響を受けにくい。検討の結果、抑肝散加陳皮半夏の攻撃行動抑制作用およびその即効性が示唆された。

外部サイト phil漢方73:24-25,2018

コルチコステロン誘発うつ病モデルマウスに対する抑肝散加陳皮半夏の効果
Phil漢方64:30-31,2017
村田 健太*、藤田 日奈*
*クラシエ製薬株式会社

〔概 要〕

マウスにおいて、グルココルチコイドの一種であるコルチコステロン(CORT)の慢性投与により、うつ様症状が惹起されることが多くの研究で報告されている。本研究では、CORT誘発うつ病モデルマウスを用いて、抑肝散加陳皮半夏エキスの抗うつ作用について検討した。本研究の結果、抑肝散加陳皮半夏エキスはストレスによって誘発されるうつ様症状に対して治療効果を示し、その作用機序の一部に海馬神経新生の促進作用が関与していることが示唆された。

外部サイト phil漢方64:30-31,2017

神経成長因子(NGF)誘発ラットDRGニューロンの神経突起伸長に対する抑肝散加陳皮半夏の抑制活性
Inhibitory Activity of Yokukansankachimpihange against Nerve Growth Factor-Induced Neurite Growth in Cultured Rat Dorsal Root Ganglion Neurons
Molecules 20(8)14959-14969,2015
doi:10.3390/molecules200814959
村山 千明*1、渡部 晋平*1、中村 元一*2、範本 文哲*1
*1 クラシエ製薬株式会社・漢方研究所
*2 中村皮フ科クリニック

〔概 要〕

慢性瘙痒は多くの皮膚疾患において悩ましい症状であるものの、その治療は未だ不十分である。抑肝散加陳皮半夏(YKH)は日本においてアトピー性皮膚炎に有効であることが報告されているが、その薬理作用は明らかとなっていない。そこで本研究では、YKHのNGF(神経成長因子)による神経突起伸長に対する抑制活性に着目し、培養ラットDRG(脊髄後根神経節)ニューロンを用いて検討を行った。YKHはNGF無添加の培養ラットDRGニューロンの神経突起伸長に抑制活性を示さなかったが、NGFにより誘発した神経突起伸長に対して濃度依存的に抑制活性を示した。

外部サイト http://www.mdpi.com/1420-3049/20/8/14959/htm

生薬陳皮の薬理作用-抗不安作用に関して-
Antianxiety-Like Effects of Chimpi (Dried Citrus Peels) in the Elevated Open-Platform Test
Molecules 18(8)10014-10023,2013
doi:10.3390/molecules180810014
伊東 彩*、新 範之*、土田 貴志*、大窪 敏樹*、範本 文哲*
*クラシエ製薬株式会社・漢方研究所

〔概 要〕

陳皮はミカン科植物の成熟果皮を乾燥させたもので、理気作用や湿を取り除く作用があり、漢方処方に汎用されている。本研究では、陳皮エキスおよび主成分であるヘスペリジンとそのアグリコン、ヘスペレチンの不安に与える影響を、6週齢ICR系雄性マウスを用い、高架式プラットホーム試験を用いて検討した。セロトニン系抗不安薬における効果を感度よく検出する陽性対照のフルオキセチンは、すくみ行動持続時間を低下させた。さらに、抑肝散に陳皮と半夏を配合した抑肝散加陳皮半夏でも、陳皮が認知症患者の不安症状に対し、重要な役割を果たすと考えられているため、同様の試験を行った。

結果として、陳皮および抑肝散加陳皮半夏は有意な抗不安様作用が認められ、フルオキセチン同様にセロトニン作動性神経伝達経路を介し作用していることが示唆された。さらに、主成分であるヘスペリジンがヘスペレチンを介し、直接的か間接的な役割により抗不安様作用に関わることも示唆された。

外部サイト http://www.mdpi.com/1420-3049/18/8/10014/htm
  • 十味敗毒湯
  • 人参養栄湯