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人参養栄湯
人参養栄湯

にんじんようえいとうとは?

人参養栄湯は、補気の基本処方「くんとう」と補血の基本処方「もつとう」を組み合わせ、黄耆・遠志・五味子・陳皮を配合し、川芎を除いた処方です。慢性消耗性疾患等の衰弱や病後の体力低下で、機能状態と栄養状態が共に低下し、疲労倦怠、食欲不振、手足の冷え、貧血などの症状が現れた場合に用いられます。

図1. 人参養栄湯に配合される生薬と薬能1)

図1. 人参養栄湯に配合される生薬と薬能1)

人参養栄湯と構成生薬のよく似ている方剤として十全大補湯があります。どちらにも補気・補血の生薬が共通して配合されていますが、人参養栄湯は十全大補湯(去川芎)に鎮咳作用や去痰作用のある五味子・陳皮と安神(抗不安)作用のある遠志を加えたものであるため、心身の消耗に加え、咳嗽や不安・不眠などの精神症状を伴うものに良いとされています。

超高齢社会の日本で近年注目されているのがフレイルです。フレイルとは、加齢に伴い筋力や心身の活力が低下した状態です。体重減少、筋力低下、低栄養などの身体症状に加え、意欲低下、不安などの精神症状がみられることもあります。フレイルは転倒・骨折などのリスク因子で、要介護状態へ陥りやすい状態とされます。しかし、フレイルは適切な対策を講じることで、再び健康な状態に戻れる状態であるため、寝たきりなどの要介護状態への進行を防ぐために、フレイルの予防・対策が課題となっています。

人参養栄湯はこうしたフレイルの多彩な愁訴に対処できる薬剤として期待されています。この特集ページでは、人参養栄湯を処方している臨床医へのインタビューや、フレイルと人参養栄湯に関する最新の知見を提供していきます。

1) 安井廣迪: 臨床応用漢方処方ガイド, 株式会社コーリン: 76-77, 2015.
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