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症状別 漢方治療の実際 アトピー性皮膚炎(成人型)

顔や首にできる大人のアトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の多くは、免疫システムが未発達な乳幼児~小児期に発症し、思春期を過ぎたころからおさまってきます。しかし、なかには成人期になっても治らなかったり、成人になってから発症する場合もあり、これを「成人型」のアトピー性皮膚炎と呼んでいます。
子供のアトピーは主に関節部分に症状が現れますが、大人のアトピーは顔と首に限局して現れ、重症になると皮膚症状は全身に及び、治りにくいのが特徴です。

ステロイドの長期使用は副作用が心配

西洋医学による治療では、ステロイド剤で痒み(アレルギー症状)を抑え、保湿目的で非ステロイド系消炎剤やワセリンなどを併用する対症療法が一般的です。
ステロイド剤は効果が高いのですが、副作用の問題もあり、長期使用の場合は使用量に注意しなければなりません。
そのような際に漢方治療を導入することで、ステロイド剤の減量を図ることができます。西洋医学的な治療も併用しながら、漢方治療の効果がでてきたところで徐々にステロイド剤を減らしていき、最終的に使用を中止できる場合もあります。

体調にあわせて根気よく治療

東洋医学的に診断すると、アトピー性皮膚炎の患者さんでは、気血水のうちどれか1つだけではなく「気滞の兆候が強いが、瘀血・水毒の傾向も混じっている」といったように、気血水の乱れが複合的な場合が少なくありません。また、症状は、季節、体調、ストレス、生理周期などによっても大きく変化します。治癒までの経過が長いアトピー性皮膚炎の漢方治療では、患者さんの状態の変化に注意し、その時々で処方を変えながら治療のゴールを目指していきます。

症例 補中益気湯と生活改善でアトピーが改善

K子さんは大手広告代理店でプランナーとして活躍するキャリアウーマン。半年前に大規模プロジェクトのチームリーダーに抜擢されてからは、ほぼ毎日終電近くまで働き、土日出勤も珍しくありません。そんなK子さんが体の異変に気付いたのは2ヵ月前。顔と首に湿疹が出て、掻いているうちに腕や脚の内側にまで広がってきてしまったのです。
「忙し過ぎて生活が不規則なのではないですか?」
「チームリーダーを任されているので、どうしても頑張り過ぎてしまうんです」
その声に力はなく、顔色も冴えません。聞けば、ここ数ヵ月は生理も遅れがちなのだとか。
「仕事を誰かに手伝ってもらうなどして、1人で抱え込まないようにしてはどうでしょう」
忙し過ぎるK子さんには、第1に十分な休息が必要です。ステロイド剤と補中益気湯を処方すると同時に、なるべく定時で退社して十分な睡眠をとるなど、生活習慣の改善に努めてもらいました。すると2ヵ月ほど経った頃から、少しずつ腕や脚の症状が改善されていきました。

タイプ別 アトピー性皮膚炎(成人型)の漢方処方

ここでは成人型アトピー性皮膚炎治療に用いられる代表的な漢方薬を紹介します。処方にあたっては、さまざまな情報を総合的に判断し、その人に最も合う漢方薬を選びます。

代表的な成人型アトピー性皮膚炎の漢方処方
痒みを抑える処方

皮膚の熱を冷ますタイプ
石膏を含む処方→白虎加黄蓮湯、白虎加人参湯、越婢加朮湯、消風散
黄蓮を含む処方→黄蓮解毒湯、竜胆瀉肝湯

胃腸を補うタイプdiv
四君子湯、六君子湯、安中散、半夏瀉心湯

体質を改善する処方

・ 各人の体質により処方が決まるため、「アトピーだからこれ」といったものはない。

・ 初めは皮膚よりも体調が先に良くなってくることが多い。皮膚症状の改善がみられるのは、治療の最終段階。根気よく治療を続けていくことが大切。